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東海地方に暮らしている人にとっては、味噌と言えば八丁味噌という方が多いのではないでしょうか。
「白いご飯には八丁味噌のお味噌汁がなくっちゃご飯が進まない!」という方も少なくありませんね。
しかし、残念ながら全国的にはそのシェアは限られたものです。
赤味噌を愛する私としては、もっと全国に八丁味噌の魅力を発信していきたい!と考えています。
そこで今回は、改めて八丁味噌の歴史や魅力を見てみたいと思います。
八丁味噌の特徴
八丁味噌は「赤味噌」ですが、赤味噌と言っても全てが同じではありません。
赤味噌の材料には仙台などで作られている米味噌と、岡崎市などの東海地方で作られる豆味噌とがあります。
八丁味噌は豆味噌に分類され、大豆麹に塩と水だけを加えて作られます。
水分が少なく、大豆の旨みが凝縮されているため深い味わいが楽しめます。
特徴となる赤い色は、発酵・熟成中に起こる「メイラード反応」が原因です。
メイラード反応とは、原料の大豆のアミノ酸が糖と反応して褐色に変化すること。
白みそは一般的に蒸さずに煮ているため、褐色の原因になる糖などの水溶性成分が取り除かれ、熟成の際のメイラード反応が抑えられ、淡い色となります。
逆に赤みそは、長時間蒸煮するためタンパク質が熱変性して酵素による分解が促進され、濃い赤い色の味噌になるのです。
歴史ある八丁味噌
八丁味噌は東海地方で作られている赤味噌のうち、岡崎市の「カクキュー」と「まるや」という2つの味噌蔵で作られている味噌だけを言います。
「まるや」は創業1337年、「カクキュー」は創業1645年と、2つの会社は互いに切磋琢磨しながら長い間技術と伝統を守ってきました。
もともと、徳川家康生誕の地岡崎城にほど近い、岡崎市八帖、旧八丁村で作られたことが「八丁味噌」の名前の由来になっています。
一般的な味噌が1年間熟成して造られるのに対して、八丁味噌は2年もの長期にわたり醸造させるため手間も時間もかかり、大規模に生産する事ができません。
全国的に広く流通しないのは、そのためなのです。
身体にもいい八丁味噌
色が濃い八丁味噌は塩分が高いと思われがちですが、実はそうではありません。
米が原材料の赤みそは塩分濃度が13%、白みそは12%で、八丁味噌は10%。
八丁味噌は長期熟成により塩分が低くても保存性を高めているのです。
濃い味付けの料理を好む現代人は、知らないうちに塩分を過剰摂取しがちです。
しかし、旨みが豊富な八丁味噌は塩分を控えながら満足感を得られる、現代人の食生活に適した食材なのです。
工場見学でもっと八丁味噌の魅力を知ろう!
「カクキュー」と「まるや」では、工場見学を行っています。
どちらも予約不要で、30分~1時間間隔で見学ツアーを開催しています。
味噌作りの工程見学や味噌の食べ比べ等が、お土産付きで楽しめます。
合資会社 八丁味噌
所在地:岡崎市八帖町字往還通69番地
おわりに
近年は、岡崎市の非公認ゆるきゃら「オカザえもん」と共に八丁味噌も全国的に知られるようになってきました。
この夏は「カクキュウ八丁村」で八丁味噌を使った冷やし中華「岡崎まぜめん」を食べて、元気に乗り切りたいですね。
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